2013年発売 シルバーのスパークルフィニッシュ MXR筐体 赤LED サイドジャック トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックサイド 9V駆動 赤い表面実装基板 内部表記 ASSY REV (C0) 05/23/2013 ABシリアル
基板を見ると何もチップが付けられていない表面実装部分が半分以上あります。どうやら開発の途中に大幅な変更があったために、未実装パターンを残して再設計したようです。主な回路は深層の2層目に集まっています。
というのも、前作のM78 CUSTOM BADASS '78 distortionとM77 CUSTOM BADASS Modified O.D.では、不朽の名機DS-1とOD-1の改造がコンセプトでした。今回はあえてCUSTOMを外してSUPERへと変わったために、既存のペダルのアレンジなのか、または完全オリジナルペダルなのか。日本のMXR公式ではEQが三つあって、70年代ロックから現代メタルまで作れるよという薄い情報しかないため、実態が謎のペダルでした。今回の「Super Badass」から価格の見直しが始まったようで前作に比べて値段が少々高く、前の2作に比べて流通が少ない機種でもあります。実態はMarshallのGuv'nor由来の系統として考えられます。
3EQを備えたディストーションペダルというと、1988年にMarshallが自社のアンプの歪みをペダルで再現したThe Guv'norを真っ先に思い浮かべると思われます。このペダルは後にドライブマスターやシュレッドマスターといった後続機に引き継がれますが、ブティック界隈ではEQを簡略化したThe Guv'nor由来のペダルが数多く存在しています。MI Audio CRUNCH BOXをはじめとし、追従し改良して作られたペダル(例ではJHS Angry CharlieやSuhr Riot)も元をたどればThe Guv'norにたどり着きます。
そして、本機のシルバーの筐体カラーと幅広いサウンドメイクを売りにしていることから、Marshallが創立25周年と創業者ジム・マーシャルが音楽業界キャリア50周年を記念して1987年に作られた希少アンプ「Silver Jubilee」をコンセプトにしているのではと推測されています。丁度ダブルアニバーサリーとなった年を合計すると品番のM75になるのは偶然と思われますが……
Silver Jubileeはそれまでにないアンプで、歪みを稼ぐためにプルスイッチでアンプ内にダイオードクリップを追加できる仕組みが備わっており、EQの効きがとてもよく、当時としては幅広いメイキングに対応できたのが特徴とされています。短い期間のみしか生産されなかったのですが、愛用者にスラッシュがいたため、スラッシュモデル「2555SL」として限定的に復刻したこともありましたが、これも1年ほどで生産を終了しています。他にもジョン・フルシアンテやマシュー・ベラミーといった著名人が使用していることもあり、現在では復刻されてMarshallの代表的なアンプの一つとなっています。
コントロールはアウトプット、ディストーション、EQのベース、ミッド、トレブルを合わせて五つです。
説明書にあるように全て12時で開始しました。
アウトプットの音量はすべて12時地点だと若干大きく、私の環境では10~11時くらいがユニティゲインとなりました。アンプインアボックス系ではゲインを完全に絞ると出音がしないものが多いですが、本機はディストーションを0地点まで絞っても出音します。この設定ではアウトプット最大でユニティゲインとなります。完全なクリーンにはなりません。EQ側でベースとトレブルを強めにカットすればある程度は調整できますがピッキングニュアンス次第で、特にフロントピックアップで強く弾くと歪んでしまいます。トランジスタアンプでも真空管アンプのクリーンチャンネルで弾いているような倍音が加わり、意外でしたがクリーンよりな設定でも使えます。
EQセクションの、ベース、ミッド、トレブルは12時を起点として左側がカット、右側がブーストへと動作します。効きは良いのですが、元の設定がミッドが強めに設定されているのに対して、高域は抑えめに感じられます。湿っぽさがあるといいますか、カラッとした感じでは無いです。シングルコイルでは高域を強めに設定したくなります。説明書に記載されたミッドを最大まで削り、ベースとトレブルを上げたドンシャリなサンプル設定: CHUNKY METALでも中域の飽和感が強く、80年代っぽいオールドスクールな設定となり、カチッとした現代的なメタルのような締まった感じにはなりません。ここは日本語で書かれている公式の説明とは個人的にはちょっと解釈違いに感じられました。英文の説明には「Decades of distortion tones in one pedal」とだけ書いてあります。
ディストーションは歪みの調整ですが、これがかなり効果的で12時地点でも歪んでいるのですが、少し右側へ傾けるだけでしっかりと歪みが増します。完全なクリーンとはいかなくても弾いていて気持ちいいローゲイン設定もできるため、ここの効きの良さはGuv'norの系譜までをも網羅しているような感じを受けました。全体的にミッドの厚みを感じるのと、歪みの質はコンプレッションが強めでキメ細かさが感じられ、LEDクリッピングのGuv'norというよりは、後期型のシリコンダイオードクリップを使用したShredMasterに近い印象を受けました。
本機は現在も生産されています。本機はあくまで、ユーザー側がJubilee系と憶測している製品です。明確にSilver Jubileeをコンセプトにしたペダルは少なく、ALEXANDER PEDALS「Jubilee Silver Overdrive」やVeroCity Effects Pedals 「JBL2225」LOVEPEDAL 「Jubilee」は公式にJubileeがモデルと公言しています。どれも銀色の筐体が特徴的です。
次作のBADASSシリーズ第四弾は、入荷待ちも発生し、シリーズで一番人気で話題になったM236 SUPER BADASS VARIAC FUZZです。
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