2011年製 ヘアライン加工した下地に赤い塗装 MXR筐体 赤LED サイドジャック トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックサイド 9V駆動 赤い表面実装基板 内部表記 ASSY REV (E) 01/26/2011 MMI11
内部は実装表面基板ですがクリッピング用にLEDを二つ使用しています。オペアンプには表面実装型のTLC2262Cが確認できます。このICは推奨動作電圧が8Vと低く、あやまって18Vなどの高電圧を入れるとすぐにショートするため注意が必要です。
BADASSは直訳すると激ワルとか激ヤバのようなニュアンスで、ネイティブからすると少し古臭く、ちょっとダサくも感じてしまうようです。確かに2026年の現代日本でも『極悪』みたいなパンテラのアルバムの邦題みたいなペダルが販売されてもちょっと名前が…ってなってしまいます。特に最近の国内ブティックメーカーはハイソな雰囲気を選んで英語ですらなかったりしますし。
このペダルの名前の一番重要なところは'78の部分です。78年といえばBOSS DS-1が販売された年でもあり、このペダルのコンセプトとなっています。
BOSS DS-1といえばディストーションの不朽の名作のひとつで、著名な使用者も挙げればきりが無いのですが、私はあまり好みではないペダルでした。ディストーションという名前の割に、クリーンにそのまま使用すると平面的と言いますか、立体感の無い、貼りつけたような歪みがどうしても苦手であまり使用していないペダルです。
その後、2000年代中ごろでしょうか、エフェクターを改造するMODブームが訪れます。アナログマンやキーリーを筆頭に国内外で既製品に様々な改造を施したペダルが大流行します。
その中にキーリーがBOSS DS-1に改造を施した「Seeing Eye Mod/Ultra Mod」という改造品があり、DS-1の定数とクリッピングをLEDに変更したものですが、元のDS-1ののっぺりした音とは全く違い、自然な歪みと音圧で驚いたのを今でも覚えています。
回路を確認したところ、本機は完全なSeeing Eye Mod/Ultra Modではありませんが、それに基づいたジョージ・トリップス氏による、再構成したDS-1と言えます。
コントロールはアウトプット、トーン、ディストーションの三つ。音の倍音成分を変化させるクランチスイッチが一つ。
説明書にあるように全て12時で開始しました。また比較にはBOSSの銀ねじの日本製を使用します。
アウトプットの音量は全てが12時位置ではユニティゲインに聞こえます、この状態でアウトプットノブを右に回しても音量はあまり増加しません。ディストーションノブを上げる方が音量が増加します。ディストーションの歪みが激しいほど、アウトプットでの可変幅は広くなる動作となっています。ディストーション最小、アウトプット最大でユニティゲインより僅かに音量が上がったローゲインオーバードライブ設定もできます。DS-1より全体の音量は高く設定されています。
トーンは12時を起点として、右に回すと高域が伸び低域がカット、左に回すと低域が伸び高域がカットされる、ビッグマフにあるようなハイパスとローパスが連動して動くトーン回路を備えておりこれはオリジナルDS-1と同じ仕様です。
ディストーションは歪みの量を設定するのですが、クリッピングが違うことでオリジナルDS-1とは少し違ってきます。全体的に'78 DISTORTIONの方が明るく、高域の歪みが荒いです。一方DS-1はキメ細かく、少し奥に引っ込んだ感じを受けます。DS-1の歪みを再現しようと、若干トーンを左に下げたり、ゲインを少し下げてみましたが、LEDクリッピングによる違いがしっかり表れているため、完全に再現するのは難しいです。可変幅では昨今のハイゲインペダルまでは歪まず、DS-1より少しだけ歪むといった具合です。DS-1と違って元のミッドが厚めなこともありDS-1よりゴツゴツした感じを受けます。
本機は現在も生産されています。BADASSシリーズも現在も継続し、新機種をラインナップに加えています。第二弾のM77 MODIFIED O.D.は、本機'78 DISTORTIONと一緒に使う事を想定して設計され、同年2011年後半に販売されました。このペダルは当時ではコスパがとても優れており、高額なキーリー製と比べて当時の国内店頭価格は1万円前後、中古相場では5千円程度でした。そして意外ですが、DS-1をMXRサイズのコンパクトな筐体に落とし込んだ製品は実は希少だったりします。
設計のモデルとなったキーリー製「Seeing Eye Mod/Ultra Mod」は残念ながらBOSS製品の表面実装化に伴い、改造品の販売は終了しました。この改造ではクリッピングがオリジナルとは異なっているため本来のDS-1の音が欲しいという方には向いていません。オリジナルの良さも残した、発展型が欲しい方はオペアンプ部分をディスクリートにて設計したBOSS「WAZA CRAFT Distortion DS-1W」のノーマルモードが通常DSと同じ仕様で使えるようです。
.jpg)

.jpg)
.jpg)
.jpg)