MXR M133 micro amp

 

MXR M133 micro amp

MXR M133 micro amp 全体像 enclosure top view

2014年製頃 クリーム色のザラっとした質感 MXR筐体 サイドジャック ハードワイヤードバイパス
DCジャックはインジャックサイド 9V駆動 赤いプリント基板 MMI14 基板表記REV: D ASSY REV (D.4) 
本機のシリアルナンバーはMMI 14から始まっています。このナンバーについての詳細を販売元のモリダイラ楽器に尋ねたところ、『MMIはモリダイラの正規代理店品としての意味で間違いはない』が、あとのナンバーについてはダンロップ側から詳しい説明はされていないため答えられない、というのが回答の内容でした。私の所持しているMXR製品とネットに上がっている情報を調べたところ、2~3年の開きがあるものも存在するがMMIに続く2桁は、製造年、もしくは発注に関する数字と見て間違いないと思われます。2014年製頃としましたが、購入時期も合わせて大体2010年代頃です。基板が赤い基板に切り替わった時期もこの頃だと思われます。

MXR M133 micro amp PCB REV.D4

内部のオペアンプはNational Semiconductor製 LM741CN ダイオードを使用するクリップ回路は使われておらず、主にオペアンプのみで増幅を行っています。回路的にはdistortion+やDOD 250のクリップ部分を取り除き、その他定数を調整した物と言っても良いと思います。
本機micro ampもMXRがジム・ダンロップに買収される前から作られていたオリジナルラインナップの一つで、最初の生産は1973年頃、スクリプトロゴにて生産されていました。その後は他のペダルと共に1977年頃からブロック体へと変わり、80年代からMXR倒産の84年までの間に、LEDやDCジャックなどの追加を行った最終アップデートを経て、ジム・ダンロップ製へ移っていきます。
この個体は赤基板なため、おそらく現在生産されているM133 micro ampと違いは少ないものだと思われます。元々回路自体が単純なものですが、1973年のオリジナルと変更がされていない理由に、ハードワイヤードバイパスをそのまま採用している点が挙げられます。つまり、このペダルはバッファ回路が組み込まれていないため、オフ状態では音痩せを発生させます。重量はオリジナルラインナップなため重く359gあります。ノブの白線は蓄光塗料が使われており暗闇で薄っすら光ります。当然回路はオリジナルを踏襲するものであってもコンポーネントが違うため、ヴィンテージとは少なからずオン状態の違いは発生しているはずです。

コントロールはゲインのみというシンプルな設計。

12時位置ですでに原音より音量が高いです。左に回して音量を下げていくと左に回し切った位置、0ポイントがユニティゲイン位置となります。この時点ですでに高域の抜けが良くmicro amp特有の艶が生まれています。ここから12時まではなだらかに音量を稼いでいきます。12時以降、2~3時辺りになると高域のキラキラとした歯切れの良さと、低音弦側に厚みが目立ち始め、ピッキングニュアンスの影響がより顕著に反映され始めます。ここからさらに右へ回していくと、クリーンではあるのですが、少しだけ巻き弦にぼやけた様な歪みが感じられるようになっていきます。ゲイン最大位置では勢いよく強く弾くと、頭のアタック音が割れてしまいきれいな歪み方ではないためコード弾きではあまり向いていません。元の出音が良いため、音量を機材と合わせて常に付けっぱなしのバッファ的な使い方でも、稼げる最大音量が高いためブースターとしても使えるため人気があることは頷けます。

ハードワイヤードバイパスのため、エフェクトオフ状態では回路内を信号が通るのですが、回路にクリッパー回路を持たないこともあり音痩せは、distortion+やDOD250などと違ってほんの僅かです。この程度の音痩せでしたら、もう一台ハードワイヤードバイパスのペダルと合わせても変化は感じられない程度だと思います。ちなみに、バッファー回路は入っていないハードワイヤードバイパスの利点は、バッファー回路の為に電源を必要としないため、トラブルで電源が供給されない状態でもエフェクトオフにすればスルー音として出力される点です。バッファ内蔵のBOSSなどでは、バッファ回路に電源が供給されなくなるとオフ状態ではスルー音が出力されません。

MXR M133 micro amp National Semiconductor LM741CN

本機は現在も生産が続いています。MXRオリジナル製品の中では、現代で一番の人気があるのではないでしょうか?価格も安いため初心者がブースターという機種に触れるのに打ってつけだと思います。後続機として低域の膨らみが気になる方の意見も聞いたのか、低域と高域を個別に調整できるようになったMXR M233 micro amp+も販売されました。
本機の使用者にはクリーンでは常にオン状態で使用しているジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)、複数台使用して複数のアンプの音量差を調整する方法で使用しているジャック・ホワイト(The White Stripes)、ブースターとして要所で強調させるために使用するアレックス・ターナー(Arctic Monkeys)など90年代後半にかけてのギターロックシーンで活躍してきた実績があるため、彼らに影響されて購入した人も数知れない名機です。