MXR CSP041 HYBRID FUZZ

MXR CSP041 HYBRID FUZZ

MXR CSP041 HYBRID FUZZ 全体像
2023年発売 サイケデリックMXR筐体 赤LED サイドジャック 2ノブクリア仕様 トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックのサイド 9V駆動 サイケデリック調なグラフィックはOne Horse Town IllustrationのSimon Berndtサイモン・ベルント氏 MXRのカスタムショップライン品
ハイブリット構成のファズフェイスですが、コンポーネントが気になったので確認したところ、ゲルマは1T308B シリコンは2N5087を使用しています。

1T308Bはソ連製のPNPゲルマで赤いドットはエミッターの目印です。これはGT308Bのキリル文字版のバージョンでデータシートは同じものです。MXRですとJoe Bonamassa Fuzz Faceに使われたものと同じだと思われます。
GT308B表記のものですと、MXR・Way Hugeの設計者ジョージ・トリップス氏によるハンドメイド製で、2021年にReverbで10台限定で販売されたアーミーグリーンカラーのDunlop Limited Hybrid Fuzz Faceに使用されています。
冷戦下の旧ソ連では西側諸国製のゲルマは入手が難しく、ソ連製の1T308B/1T308Vで代用してファズフェイスを作っていた歴史があります。

シリコン側の2N5087は様々なファズに採用されていますが、代表的なものといえば2N5087で検索すると一番に出てくるBIG MUFFラムズヘッドでしょうね。前述のジョージ・トリップス氏の特別モデルDunlop Limited Hybrid Fuzz Faceのシリコン側にも使用されています。
同等のトランジスタに同等のFuzz Face回路。それでは、これは限定10台品の廉価版なのかというと一概には言えません。
比較したコンポーネントはReverbに記載されたトランジスタのカタログスペックのみで、実物の出音や内部レイアウトが公表されていない為わかりません。

コントロールはボリュームとファズ。

ユニティゲインは2時頃です。ファズフェイス系としては最大音量は高いです。
歪み方はアタックがゲルマらしいもさっとしたウォームな歪みですが、サスティンはジリジリ系で倍音がまとまっておりマフっぽい。
ゲルマ側の1T308Bは高ゲインなトランジスタでは無いのですが、手持ちのSunface Fuzz NKT275 White Dot HGと比べても、本機の方がより深く歪みます。出音の立ち上がりはゲルマ感が似ていますが倍音が全然違うのが個性的で面白いです。ミッドスクープされている感じも特徴です。
ボリュームの追従性ですが、歪の量を調整してクリーンよりなオーバードライブは可能な程度で可変幅はあまりありません。
MXR CSP041 HYBRID FUZZ 1T308B
これは単純にトランジスタとゲルマとトランジスタを1個ずつ使ったハイブリッドというより、ファズフェイスとビッグマフの融合というアプローチも感じられます。
ハイブリッドファズってどういった層を狙っているのか分かりにくいセールスポイントだと思います。
温度変化の安定性を長所にしている説明もあるのですが、結局ゲルマを使っているので若干の影響は受けてしまいます。本機もおそらくバイアス調整用と思われる内部トリマーがあります。
ヴィンテージ志向の方からすれば、それっぽいで何かで終わってしまいがちです。
本機はゲルマ風でも、シリコン風だけじゃない個性があるペダルで、ハイブリッドでないと出せない音というストロングポイントがあるペダルです。この若干王道から外れた、少し捻くれた感じはジョージ・トリップス氏らしさがあるのですが、本機の設計者が誰かまでは公表されていないため憶測でしかありません。カスタムラインでの販売ですので少なからずは携わっていると思うのですが。

私は見た目と筐体サイズに惹かれて購入したのですが、思わぬ掘り出し物でした。本機は2025年現在は市場に在庫がまだ潤沢にありますが、既にアメリカのダンロップのサイトでは生産終了しております。本機はファズフェイス系ですが、カスタムラインにはトーンベンダー系のCSP038 BROWN ACIDも発売されています。