MXR YJM308 Yngwie Malmsteen Overdrive

 

2024年発売 フェラーリレッドの塗装に黄色のブラックレターフォント MXR筐体 青LED サイドジャック トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックサイド 9V駆動 赤いプリント基板 MMI21 基板表記ASSY REV (B1) 10/11/2022 
オペアンプはTexas Instruments RC4558Pを確認。二つのシリコンダイオードによる対称クリップで、予想通りイングヴェイの愛用するDOD250スタイルのサーキットです。心なしか、コンデンサの黄色が映えて、いつもの見慣れたMXRの赤い基板もより格好よく見えます。重量は最近のMXRらしく軽量で208g、比較したDOD 250 '90sの半分以下でした。
本機は2024年に発表から僅か2週間で販売されたイングヴェイ・ヨハン・マルムスティーンのキャリア45周年を記念して作られたオーバードライブです。この年のMXRはランディ・ローズ仕様のポルカドット版「MXR RR104 Randy Rhoards distortion+」が発売された年でもあり、急に発表された感のある二つのアーティストモデルは私にとっても急な出費となったのを今でも覚えています。本機のカラーは通常版で、YJM308の由来の通りイングヴェイの愛車フェラーリ 308を彷彿とさせるカラーリングで、同時発売だった限定のイエロー版ではなく最初からこちらを購入予定でした。ちなみに、この1983年製 Ferrari 308 GTS Quattrovalvoleは同年2024年にマイアミの著名なヴィンテージショップ『Walt Grace Vintage』にて、自身のメインギターのひとつであるストラトキャスター#4とセットで販売され、去年買い手が付いたようです。308だったかは覚えが無いのですが、昔のヤングギターにはDVDが付属されており、本誌に記載されたフレーズを弾いてもらう動画が視聴できたのですが、愛車のフェラーリの紹介もしていまして、20年以上前ですが記憶に強烈なインパクトが残っています。

イングヴェイといえばDOD Overdrive Preamp/250の初期型Gray Boxを愛用していたことは有名です。後にDODから高域とゲインを少しだけ上げたシグネチャーモデル「YJM308 Preamp Overdrive」や、Fenderとコラボして限定生産した「Yngwie Malmsteen Over Drive」などDOD 250をベースとした2ノブスタイルのシンプルなオーバードライブの開発に今まで関わっており、今回はMXRから新たにシグネチャーモデルが発売されました。
元々DOD250といえば、MXR distortion+のゲルマニウムダイオードによるクリップ部分を変更したもので、どちらが先だったかは長年鶏と卵のような論争にもなっていましたが、近年のJHSが行ったインタビューではDODの元開発者であるDavid Oreste DiFrancesco(デイビッド・オレステ・ディ・フランチェスコ)氏がMXRのコピーと認めています。今回はMXRが初めてノブの形状からもDOD側に寄せたペダルでもあり、MXR筐体かつ今回のイングヴェイモデルはどの年代のDOD Overdrive Preamp/250に近いのかも含めて、大変興味がある製品でした。

コントロールはレベルとゲインの二つ。

レベルの音量は両方12時地点だと原音より若干高く感じられました。レベル9時ごろがユニティゲイン位置となります。ゲインの多さで位置は変動しますが、ゲイン最大でも9~8時区間がユニティとなりこれより下げると出音できません。
ゲインは12時では若干歪みだした程度で、DOD Overdrive Preamp/250 '90s Reissueとは違いノブでの調整は緩やかにゲインが上昇します。'90s Reissueと初期型Gray Boxに寄せて作られたDOD Overdrive Preamp 250 50th Anniversaryと比較しますと、'90s Reissueは少し奥に居るような印象でダークです。50th Anniversaryと同じように音が前に伸びてきて明るいのですが、50th Anniversaryは低域が主張して音が太いのですが、YJM308は高域が強めに出力されています。歪みは50th Anniversaryよりもタイトでスッキリとした印象を受けました。過去のシグネチャーの傾向に似ており、この調整はイングヴェイの好みが反映されているポイントかもしれません。
本機のフェラーリレッドカラーは通常版として現在も販売されています。同時期に販売されたカナリアイエローと、翌年2025年に販売された限定色のホワイトは既に販売は終了しています。先に上げたDODとFenderのシグネチャーモデルは既に生産が終了していますので、本機MXR YJM308が2026年現在で、唯一現行品として購入できるイングヴェイシグネチャーモデルです。
MXRではアーティストシリーズとして、多くの著名人とコラボしてきましたが本製品も末永くレギュラーモデルとして販売が継続されることを願っています。また私としましては、MXRサイズでのアーティストシリーズの展開を強く願っています。