2024年製 グレーのスパークリング塗装 アルミ製のオリジナル筐体 緑LED サイドジャック トゥルーバイパス
DCジャックは筐体上部 9V駆動 緑のプリント基板 付属品に特注フットカバーにピックやステッカーなど多数
宣伝にはヴィンテージLM741を使用とありましたので期待していましたが、オペアンプにはTexas Instruments社 UA741CPを使用しています。同時期に発売されたMXR RR104 Randy Rhoards distortion+と同じものです。本物のヴィンテージICを1974台分用意するのは難しかったみたいです。ヴィンテージ・ゲルマニウム・ダイオードを使用したとされる非対称クリップ部分にはゲルマニウムダイオードを一つ確認できます。非対称ですのでdistortion+やDOD 250最初期のBIG BOX期に使用されていたゲルマ対称クリップとは違います。
本機は1974年のDOD Overdrive Preamp 250の生産から50周年を記念して、2024年作られた限定1974台のアニバーサリーモデルです。創業地と同じアメリカ・ユタ州にてハンドビルドで組み立てられているとのことですが、中身はDOD 250の初期型の通称Gray Boxとは違い、しっかりPCBを使用しています。表面実装では無く、スルーホールで各コンポーネントが乗っているのは、昨今の各メーカーが表面実装への移行が進む中では好印象です。特徴としてはボディに付けられた50周年のアルミバッジ隣のトグルスイッチで内部クリップを選択できます。DOD Overdrive Preamp 250はMXR distortion+と回路がほぼ同じということは良く知られていますが、実はMXRのmicro ampとも類似している箇所が多く、これに着目してアナログマンやVFE PEDALSなどがトグルスイッチにて、別のペダルに切り替える趣旨の製品を過去に製作していました。公式側がブティックメーカーが行ってきたMODを取り入れることにより、今回の仕様が実現しました。この取り組みは近年ではBOSSのWAZAシリーズが行っている物に近い発想です。久しぶりにDOD製品を購入したのですが随分と軽くなったなと思い秤で実測したところ、90年代のDODは鉄製筐体だったこともあり重量400gを優に超えていたのですが、最新のDOD製品はアルミを使用して254gと軽量化が進んでいました。ペダルボードに入れて運ぶには軽量な方が楽ですし、多数エフェクトを使用する現代に合わせたアップデートだと思います。
コントロールはゲイン、レベルの二つとクリップ切り替え3モードスイッチです。
レベルでの音量はモードスイッチの影響を受けます。ユニティゲインも最大音量も変わってきます。
ゲインもモードの影響を強く受けますが商品説明に『オリジナル・モデルに採用されていたパーツの仕様に準じたポットなどを使用』とあるようにカーブが'90s Reissueと違い変更されています。'90sは12時地点まではあまり歪みに変化が無く、3時以降と、回し切る直前付近で一気に歪みが増えますが、50th Anniversaryはノブの位置に合わせて滑らかにゲインが変化します。当然12時地点では既に歪みが発生しています。
モード切り替えスイッチですが、
一番上がシリコンモード、DOD Overdrive Preamp 250の標準となるクリッピングで初期型のGray Specを再現するモードになります。DOD Overdrive Preamp/250 '90s Reissueと比較したところ、'90s Reissueは少し中域が強く、引っ込んだ感じがあるのですが、50th Anniversaryは高域は明るくクッキリとしながらも、太い低域をしっかりと感じる印象を受けました。ゲインポットのカーブが違うためノブが同じ位置での比較はできませんが、歪みの質感や最大ゲイン幅はほぼ同じです。このモードが一番荒く歪み、一番音量が低いのですが、他のモードと比べてなので実用的な音量は'90sと同じです。
真ん中がリフトモード、意味通りクリッピング回路を切り離し、オペアンプのみで増幅させるmicro ampに近い働きをするモードです。micro ampはノブが一つしかないためゲインを調整することはできませんが、本機ではゲインのみの増幅ができます。ですがマイクロプリアンプ的な使い方には向いていませんでした。レベル最大でゲイン0では奥まって聞こえるためゲインを上げて味付けの濃さを調整するような調整をしてみたところ、ゲインが9時頃まででしたら常時付けっぱなしのバッファ的な味付けは可能なのですが音量が稼げません。これ以上音量を稼ごうとするとどうしても歪んでしまいぼやけてしまいます。ゲインを12時より右に上げていくとmicro ampを最大位置にしたときに発生する膨れた低域の特徴に、硬い高域が付属されたブライトな歪みを発生します。このモードが一番音量が稼げます。
一番下がゲルマ・アシメ(非対称)モード、ゲルマニウムダイオードに切り替えますが、内部にはdistortion+と違いゲルマニウムダイオードを一つしか使用しておらず、非対称クリップ回路にて動作します。distortion+と比較すると、まず音量が低くなることはありません。両ノブ12時地点では真ん中のリフトモードとほぼ同じ音量です。唯一このモードがボリューム最大、ゲイン0地点で最初から歪んでいます。ですが最大の歪み幅は2番目で、ゲルマニウムダイオードクリッピングによる飽和感が感じられます。distortion+よりコンプレッションは抑えられており、どちらかというと先のリフトモードを程よく歪ませ、耳馴染みが良くなった。そんな印象を受けました。最大音量はリフトモードに続いて2番目です。
3モードの操作感は、私としては一番上のシリコンモードを基本として、各モードセクションにてシリコンモードから歪みのレイヤーフレームを外していくような印象を受けました。根底には同じ歪みがあるのですが、クリップ数を減少させることにより異なったDOD 250のバリエーションを表現しています。この3モードでdistortion+やmicro ampを再現という使い方は設計者の意図には含まれていないように感じられました
本機は既に生産を終了しています。製造年にちなんだ限定1974台ですが、同じく2024年に発売されたMXR RR104 Randy Rhoards distortion+の3200台に比べると、少数生産にしては売れ行きはさほど良くなかった印象です。価格が46,000円とお高めな設定だったのも影響していると思われます。現在はOverdrive Preamp 250-Xという50th Anniversaryからバッジを外したそっくりな外見のモデルが生産されていますが、モードの下段がアシメ(非対称)モードのみとなっておりゲルマニウムダイオードを使用していないようです。製造もインドネシア産と明記されており、オペアンプや基板が表面実装化されているようでコンポーネントの変更が加えられています。

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