2019年製 グリーンの筐体1590N1サイズ筐体 白ノブ 高輝度白LED トップジャック トゥルーバイパス
DCジャックは筐体上部 9V駆動 電池使用不可 黒いプリント基板 内部表記 Rev2
Burr BrownのOPA2134PAを使用しています。オーディオ用のICとしては評価の高いブランドですが、一般的なオペアンプと比較して高価なため、通常では一部のブティックメーカーや、ガレージMOD製品でしかあまり見かけません。生産数がある程度必要となる量産品であえて採用されているのはこだわりを感じます。アクティブEQ側には2N5089が確認できます。フットスイッチには近年のEQDでは標準仕様となっているクリック感のない電子リレー方式のトゥルーバイパスを採用。スイッチングノイズが軽減されるとともに、電源が供給されない状態ではONOFF問わずに、アンプ側に回路を経由せず信号が流れる仕様となっています。
EQD側の説明ではトランスルーセントなオーバードライブとして2017年発売されました。開発には、The Pedal ZoneによるNAMM2018のインタビューによると、元々EQDの創業者ジェイミー・スティルマン氏のペダルボードにあったイコライザー部分が元になっていると語っています。先にイコライザーがあり、それだけでは商品化しても面白みに欠けるということから後からドライブ分を追加して製品化に至った経緯があります。
一説によると、Moogerfooger MF-101のドライブ回路が元になっているという説もあるようですが、EQD側が公式に証言した事実は確認できませんでした。ちなみにMoogerfooger MF-101はエンベロープフィルターの名機としてジョン・フルシアンテの使用でも有名ですが、このドライブ回路自体はMoog社の他の機種にも採用されており、このプリアンプ的に常に作用するドライブ回路に入力してから、モジュレーションが掛かるのがMoog社製品の仕様でした。
コントロールはレベル、ドライブ、ベース、トレブルの四つ
レベルは音量調整です。全てのノブが12時を差したポジションが、原音と音量差が無いユニティゲインとなります。クリーンブーストで使う際にドライブのみを最小まで回すと、レベル最大がユニティゲインとなります。そのため、ブースターとして使う場合は少量のゲインか、EQを12から右に回すことで音量を稼ぐことができます。特にEQでの作用は影響がとても大きいです。カットしてボリュームを稼ぎたい場合はゲインの上昇がある程度必要となります。
ドライブの歪みですが、EQにかなり影響を受けますが、トランスルーセントらしく原音に追従して歪んでいくので固めな印象を受けました。アンプライクではなく、ペダルで歪みを作っているシンメトリーな歪み方で少し冷たくも感じますが、イコライザーの設定しだいでなめらかでウォームな音色や、ラジオのような低音がカスカスな音、ブーミ―なディストーションに近いパワーコード向けな歪みなどジャンルを選ばない音作りができます。
EQセクションのベースとトレブルには、ノブの12時地点にセンタークリックが入っており、ユニティポジションに素早くアクセスできるようになっています。私には少し低域・高域ともに僅かに低く感じられ、このポジションより若干1時よりがベストに聞こえましたが使用している機材や環境にもよる範囲だと思われます。
どちらもアクティブ回路となっており、12時を境にカットとブーストに機能します。ベースは80Hzにまで作用し、最大まで上げると使用しているJC‐120が震えるほど低音が出てきます。80Hzはアンサンブルではベースの帯域と重なってしまうためギターで使用する場合は上げすぎには配慮が必要になります。故に、このペダルはベースでの使用もおすすめされています。トレブルは2KHzのプレゼンスに近い帯域を調整する効果があり、ピッキングのアタック感やニュアンスに強く影響されます。
総評として、元々ジェイミー・スティルマン氏がシングルコイルのギターの低音を調整するために使用していた回路が元になっていることもあり、ドライブ側よりも、EQのコントロール側の秀逸さが際立っている印象でした。歪みもドライブを最小にすれば原音に忠実なブースターとして機能し、不要な部分をカットするトランスペアレント的な使い方だけでなく、不足した部分も補えるベース・トレブルブースターとして機能します。あえてEQD側が本機の説明においてトランスペアレント(透明)ではなく、トランスルーセント(半透明)にしたのはこのEQの強い効きから来るものと、原音に忠実に作用するドライブ回路でありつつも、トランスペアレント=Timmy・KLONという認識から来る誤認を避けたかったと思われます。
本機は生産終了しています。Burr Brown製のオペアンプを使用しているため、EQDのオーバードライブのラインナップではSpecial CrankerやPlumesに比べて高価で、売れ行き的にも少し過小評価されていた印象を受けます。2025年に日本では、島村楽器限定で「Aoi」という名称で数量限定で再生産されました。シリアルナンバーの数からするとWestwoodの生産台数を引き継いでいますが、FBに上げられた生産中のAoiの基盤を見る限り、表面実装基板へと変更がされておりコンポーネントの変更が確認できます。EQDには途中で表面実装に変更された機種が他にもあるため、後期Westwoodの時点で変更があった可能性もありますが、Aoiは変更された基板で生産されていることは確かです。
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