Quinnamp Hot Buttered Scotch

Quinnamp Hot Buttered Scotch
Quinnamp Hot Buttered Scotch 全体像

2013年製 白い下地にシルクスクリーンされたMXR筐体 赤LED サイドジャック 3ノブ トゥルーバイパス
DCジャックはアウトジャックのサイド 9V駆動  緑のプリント基板 裏蓋にロット数100台の記載あり
内部コンポーネントを確認したところオペアンプにTexas Instruments TL072IPを使用。MOSFETのFairchild BS170を2石、2N5088を1石確認できました。基板上部には、https://www.diystompboxes.com/smfforum/index.php?topic=38581.0とURLが記載されています。アクセスしてみると、海外自作コミニティのDIYstompboxesにて2005年に立てられた、FETをダイオードクリップとして使う際の解説を求める趣旨のスレッドで、基板には回答者に対する感謝の言葉が記されています。

初版の販売時期は2012年後半とされていますので、FETを使用した所謂ダンブルスタイルのペダルとしては後発となります。初版はシルクスクリーン塗装ではなく、同グラフィックのシールが貼られていました。また、筐体のDCジャック周囲の絶縁処理が甘くショートする危険があったため、2013年からこれらを改善した仕様に変更されました。

筐体に印刷されたホットバタースコッチは、バターと砂糖にシナモンなどのスパイスを加えたベースに、スコッチウイスキーとお湯を加えて作るホットカクテルの一種です。ダンブルアンプのスムースで甘く、コクがある音をイメージして付けられた説と、ダンブルに搭載されたMODの一つのHot Rubber Monkeyが由来とする説があります。このHRMと呼ばれるMODはダンブルのプリアンプ部分にトーンスタック、EQツマミを追加したもので、本来内部トリマーで調整していたものを前面パネルから操作が可能になっています。また、プリアンプブースト機能を兼ね備えており、標準よりさらにクランチ感を際立たせることが可能です。

QuinnampはShad Damronシャド・ダムロン氏が家族経営をしていたアメリカの小規模アンプ工房で、クインは彼の息子の名前です。良質なダンブルクローンを作ることで評判が高く、今では中古市場で高額で取引されています。ペダルの開発も行ってはいましたが、アンプの生産を優先していたために商品化は遅れていました。代理店は持たずeBayなど個人での取引が主だった記憶があります。

コントロールはボリューム、ハイカット、ゲインの三つ

ユニティゲインは10時ごろです。12時でも音量は高く、十分な音量が稼げます。
ハイカットはノブを右に回すにつれて高域がカットされます。12時頃まで上げてもウォームで滑らかなトーンを維持します。高域をカットせず左に回し切ると若干歪みが増します。
ゲインはハイカットの位置にもよりますが、ディストーションのような歪みは不可能ですが、思ったよりは歪みます。調整次第ではローゲインオーバードライブも可能です。全体的に少しダークな感じがあり、チューブスクリーマーのような中域も感じられます。

Quinnamp Hot Buttered Scotch 内部基板

本機は既に生産終了しております。Quinnampは短いペダル生産時期を経て2014年に廃業しました。以前から金銭面でのトラブルを抱えていたようで、評判ゆえに納期が大幅に遅れ、頭金を支払った顧客の不満が爆発したことも原因とされています。
このペダルの裏蓋にはロットナンバーとともに、"Music is the best." ~FZとフランク・ザッパのPackard Gooseの歌詞からの引用が記されています。引用元の全文訳は、

「情報は知識ではない。知識は知恵ではない。知恵は真実ではない。真実は美ではない。美は愛ではない。愛は音楽ではない。音楽が最高」

経営難と顧客対応の板挟みに陥っていた彼の心境から記したのか、今となっては意味深な引用です。