2020発売 ミニマリズム的なデザイン MXR筐体 赤LED サイドジャック 3ノブ1トグルスイッチ トゥルーバイパス
DCジャックは筐体上部 9V駆動 電池駆動不可 緑のプリント基板にinspired by the genius of toshiの記載あり
JHSが100ドル以下でシンプルな操作性且つ、独創的なペダルラインをコンセプトに2020から生産がスタートした3 Seriesという生産ライン。組み立てはアメリカのミズーリ州カンザスシティにて行われています。
基板を見ると主に表面実装部品で作られています。スイッチ周りとエフェクト部分を分割した2枚構成にすることで組み立て作業を削減できる代わりに、電池が入るスペースは設けられていません。筐体の塗装や、グラフィックのシルクスクリーンに耐久性を持たせようとすると内部パーツ以上に費用が掛かってしまうため、デザインを省くことによって更にコストを抑えています。これは3 Series共通の仕様だと思われます。筐体サイズもJHSの通常生産ライン品と違い、一回り小さいMXRサイズを採用しています。
私はJHSのジョッシュ氏には申し訳ないのですが、製品数の多さに対してあまり購入した経験が無いメーカーです。存在自体はeBayで2000年代後半に原色の筐体に、謎のピクチャーが控えめに押印されたデザインのペダルが出品されているのを知ってはいたのですが、筐体のサイズとデザインが私の好みではなかったため購入予定リストからは外れていました。
その私がなぜ本機を購入した理由は、MXRサイズとして販売されたこともありますが、『このペダルはHAOのRumble ODSが元になっている』と、YOUTUBEのSweetwater公式チャンネルによる、JHS 3 Series Overdriveのプロモーション動画においてジョッシュ氏が語ったことが大きいです。
HAO Rumble ODSは販売は2001年とされており、世界的にもブティックエフェクター黎明期に作られた日本国産ペダルで、ODSの名前の通り、いち早くダンブルを意識して作られたペダルです。開発には日本では希少なダンブル製のアンプをHAOが所有 (関係者が所有だったかもしれません)しており、実機とのヒアリングを重ねて製作された経緯がありました。
JHSのジョッシュ氏はHAOの開発者と友人とのことで、筐体に記されたイースターエッグ的なメッセージは彼に充てたものです。JHS 3 Seriesの動画には度々Rumble ODSと後継機のMODが実機にて登場しています。また、2006年頃には自作コミニティにて、当時アメリカでHAOはまだ情報が少なかったにもかかわらず回路を評価していたようです。
コントロールはボリューム、ボディ、ドライブ、2モード切替スイッチです。
ボリュームは十分な音量を稼げます。このシリーズの特徴なのかは分かりませんが全てのノブを12時に合わせると丁度ユニティゲインとなります。
ボディはODSのカラーに相当するノブで、歪みの土台を作る場所になります。ただのEQではなく左に回すと高域がカットされ中低域によった甘い音に、右に回すと高域が強調されジャリンとしたキレのある音へと変化します。右に最大値付近まで回すと急激にローがカットされ音量が上がります。高域が強くエッジが尖っており、ちょっと耳に痛いので私は使わないかな。全体的に低域はあまり出力されません。
ドライブはゲインの調整で先のボディとも連動して機能しています。ボディを上げるほどに歪みが増す傾向です。歪みの感じはジャリっとしたクッキリなブライトな印象です。
スイッチはクリッピングの切り替えのようです、本家ODSでは上がモード1のブーストモード、下がモード2のオーバードライブモードでしたが本機はゲインとだけ記されてます。
上側が歪みが若干抑えられたブーストモードに相当するモードで、Rumbleとの違いはこの状態でもドライブコントロールが有効になっている点です。本家HAOのRumbleはブーストモードになるとゲインが効かなくなります。下は若干ゲインが上がります、何かしらのクリッピングが働いています。ブーストモードより歪みがきめ細かくなり、コンプ感が出てきますがそれほど違いは無いので用途に関係なく好みで選択して良いと思います。
総評として、3ノブですがボディコントロールで作れる歪みは幅が広いです。ただし、ボリュームを含めて設定を大幅に変える必要があります。低域の出力は抑え気味でありディストーションは不可能です。ブライトで、シングルコイルだと線が細すぎて向かない設定位置があります。本家ODSと比べると設定次第ではノイズが大きい。歪みがクッキリしすぎて中低域が控えめになっている。同ブランドのMorning Gloryとコントロールや歪みが類似する点があり、よく比較されていますが、私はMorning Gloryを所持したことがないため比較はできません。Rumble ODSを期待していた私としては、少し乖離がありましたが、基本Rumbleがモデルになっているペダルであると確認できました。価格からすればオーバードライブ~クランチ間での守備範囲の広い優秀なペダルです。インスパイアとありますし、ゲインスイッチの仕様も違っていますので完全なコピー品ではありません。
JHS 3 Seriesは歪み、空間、モジュレーション系全てを$100以下で販売する低価格シリーズです。昨今の物価高騰や貿易摩擦、そして日本国内では歴史的な円安でペダルの値段が上昇している中、ここまで低価格に抑えるのは驚異的にも見えます。しかし、ここまで安くするにはコンポーネントを切り詰めないとできないわけで、過度に期待はしてはいけないのかもしれません。この価格帯はライバルとしてベリンガーやダンエレクトロの商品を挙げており、それらは筐体がプラスチックだったりと耐久性に難がありましたが、価格は$50以下でした。本機はスイッチとケースには、JHS通常ラインと同等のものを使用しているので、耐久性は信頼できますので、$99.99は妥当な価格だと思われます。
コスト削減のために3 Series全てが白色で余白が目立つデザインですが、海外では同シリーズでの踏み間違いを避けるために、筐体余白部分にオリジナルのグラフィックや好みのステッカーを貼ったり、家族にお絵描きしてもらったりと、自由帳のような使い方をしている方が多くみられるのは微笑ましい現象ではあります。
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