Hermida Audio Tiki Drive

Hermida Audio Tiki Drive
Hermida Audio Tiki Drive 全体像

製造年は2018年頃 クリーム色のMXR筐体 青LED サイドジャック 5ノブ トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックのサイド 9V駆動 黒いプリント基板と筐体の色から2017~2019年製と思われます。

ピクチャーに描かれているのはTiki(ティキ)と呼ばれるポリネシア文化に伝わる木像や石像です。マオリの神話では最初の人間とされています。先祖の姿を象った物とされ、魔除けやお守りの工芸品としても広く親しまれています。また、ポリネシアン風の様式やトロピカルなデザインは、ティキバーやティキカルチャーなどでアメリカにて一時流行していたようです。
本機はカーズのエリオット・イーストンのシグネチャーペダルでもあり、彼とティキには繋がりがあります。カーズ解散後の90年代からイーストンはサーフバンドにて活動しており、2013年にElliot Easton's Tiki Gods名義でリリースされた、スプリングリバーブが効いたサーフ・インストアルバム「Easton Island」のジャケットにはティキが描かれています。

Hermida AudioのAlfonso Hermidaアルフォンソ・ハミーダ氏が、イーストンの意見を取り入れ開発したペダルで、クリーンアンプを幅広く歪ませるためにオーバードライブとディストーション両方のサウンドが出せるペダルをコンセプトに作られました。2010年には開発が発表されていましたが、販売後まもなく2012年にHermida Audioは経営難に陥り、2012年7月からLovepedalの傘下へと入ります。その後、LovepedalではHermida Audioの製品は主力ペダルZendriveを主軸としたゼンシリーズの生産を行っていましたが、2017年にLovepedalから限定復刻という形で販売されましたが、後にレギュラー化されました。

コントロールは、ボイス、ゲイン1、ゲイン2、トーン、ヴォリュームの五つ。

ボイスは歪み回路前段に設けられたトーンに似た働きをするノブで、右に回すとわずかに歪み成分が増しつつ、高域が伸び開放されたトーンになり、逆に左に回すと高域がカットされコンプ感が強まります。なお、右に回すほど歪ませた際のノイズが増える傾向があります。
ゲインは1と2に分かれています。アンプのプリアンプとパワーアンプに相当します。
ゲイン1は大まかな歪みを作る部分です。マーシャルのような高域と低域を強調した設定も可能。ハイゲインアンプとまではいきませんが、深く歪ませることができます。1だけの操作ではディストーションの範疇となるため、ゲイン2とのバランスが重要です。
ゲイン2はパワーアンプのような働きをします。ノブを左に回し切ると出音が完全にミュートされます。右に回すにしたがい音量とゲインが上がります。この二つのノブを操作して音を作ることになり最終的な音量はボリュームノブにて調整します。オーバードライブさせる場合はゲイン1を低く設定し、ゲイン2で歪みを調整します。
トーンは高域を調整します。基本的には左に回すにつれ高域がカットされていきますが、ゲイン側にも影響があり、右に回すにしたがい歪みのエッジが強調されます。
ボリュームは最終的な音量調整となります。

ボイスノブが付いている類似点から稀に、Zendriveの代用に使えるといった評価を見ますが、このペダルはODとDSの二つが入っているペダルではなく、オーバードライブからディストーションまでをアンプのような操作性で幅広くサウンドメイクが可能というコンセプトです。ODチャンネル(ゲイン2)にZendriveが入っているわけではありません。どちらかというとディストーションのように歪ませて使うのが効果的だと私は思いました。

Hermida Audio Tiki Drive PCB基板

初期型のHermida Audio製はZendrive同様の黒い筐体に赤いLEDが採用されており、トップにグラフィックが描かれた白いパネルが付けられていました。
本機はLovepedal製造のクリーム色(白)の筐体です。カラーバリエーションに真っ黒のモデルも存在します。2026現在の価格は$229.99となっています。
なお、エリオット・イーストンが2025年に公開したLA Sound Design制作のペダルボードでは本機は使用されておらず、ドライブペダルには初期型ZendriveとMI AUDIO製の初期型Crunch Boxを組み合わせて使用しています。同年代の機種を所有してますので比べたところ、Crunch Boxの歪みは十分カバーできますが、Zendrive特有の中域にフォーカスされたウォームなサウンドの再現は難しいと感じました。