CE Pedals FET dream

CE Pedals FET dream
CE Pedals FET dream 全体像

2009年製 黒筐体に青色のパウダーコーティング仕上げ MXR筐体 サイドジャック トゥルーバイパス
DCジャックはインジャックのサイド 9V駆動 緑のプリント基板 基版表記2009
厳選されたJFETトランジスタを、ペダルごとに調整して出荷していたようです。裏蓋には搭載されたJ204のチューニングシートと、機種名のFDから始まるシリアルナンバーが記載されています。

ピクチャーはLEDの周りにあしらった禅宗由来の円相で、あえて閉じていない円相をデザインした理由もHPに記してありました。閉ざされた円相は完全や悟りを開いた者を現しますが、対する完全ではない円相は、さらなる成長や、無限の広がりを意味します。機種名のDreamにも込められていますがプレイヤーに対する成長を願って付けられたようです。また、企業としてこれからの成長に期待を込めて採用した面もあったと思われます。インからアウトまでに描かれた矢印は回路の流れを表しています。

2000年代には当時絶大な人気を誇るペダルがいくつかありました。Hermida Audio Zendriveもその一つです。本機FET dreamはZendriveと類似する点が多く存在します。禅宗を由来としたモチーフ、ノブの形状に筐体の黒いベースカラー、裏蓋を止めるネジ色まで黒くZendriveと類似しています。内部的にもFETを使用しており、オペアンプの前段階にステージを設けているのも同じ点です。

CE PedalsことCause&Effect Pedalsはカナダ・オンタリオ州にてMark Robertsマーク・ロバーツ氏とBrian Alexsonブライアン・アレクソン氏の二人によって2009年頃から運営されていた小規模ペダル会社です。ロバーツ氏は日本に数年の滞在歴があり、その中で禅宗に深く感銘を受け、ブランドロゴや筐体に一筆書きの円相をデザインとして取り入れています。
日本国内ではTONE BLUEが代理店でした。世界的に見ればマイナーなブランドですが、当時は円高もあって海外の様々な新製品の販売が次々と発表されるブティックペダル全盛期でした。

コントロールは筐体矢印に沿って説明しますと、ガース(円周)、ドライブ、リーン、レベルの四つです。

Girthガースは円周という意味で、Zendriveのボイスに相当します。右に回すにつれて円が広がっていくようにローミッドが出てオープンな印象を受けます。逆に左に回すとと締め付けるように倍音が抜け落ちていき最終的には高域だけが残ります。低ゲイン設定では若干歪みが増すように設計されているようですが、ドライブを高く設定している状態では変化は感じられません。ノイズも抑えられています。

ドライブはゲインステージになります。歪みは最大でもクランチ程度に感じると思います。Zendriveと比較しますと、FET dreamは全体的に高域が抑えられていますので、大人しくモダンな印象を受けます。また、ノブを絞り切っても出音しますのでガースとリーンでエンハンスさせたブースターとしても使えます。

Leanリーンは傾斜や曲がりを意味し、基本的には高域をカットして低域の出方を調整します。左に回すと高域がカットされます。帯域幅の調整も兼ね備えているようでノブが9時以降になると低域がまとまり、前に出てきます。
レベルはボリュームですがZendriveよりユニティゲインは低いです。設定次第で十分な音量を稼ぐことが出来ます。

総括すると、Zendriveよりピッキングニュアンスによる反応が抑えられており弾きやすく感じます。歪みはまとまった印象を受けノイズも軽減されています。トーンコントロールに特徴がありますがZendriveのような所謂ダンブルサウンドは対応可能です。後発機ですがただのクローンでは無く、独自の解釈が加えられたよいペダルだと思います。

CE Pedals FET dream PCB基板

本機は生産終了しております。 CE Pedalsは創業以来FET dreamのみを生産して、2021年に運営を終了しました。普及率とオーダー在庫の減少を考えますと、実際にはもっと早くに生産を終了していた可能性があります。価格は$209でした。発売当初は品薄のZendriveの対抗馬として一時注目を浴びましたが、その後のZendriveの増産と人気の落ち着きに伴い売れ行きは芳しくなかったようです。現在は公式サイトも残っていませんが、設計データは商用利用不可のオープンハードウェアとして公開しています。
設計を秘匿とせず敢えて公開したのは、円相を閉じなかったブランド理念から来るものかもしれません。