2005年~2006年製 艶のない紫色の1590N1サイズ筐体 サイドジャック 赤LED トゥルーバイパス
DCジャックの位置は筐体上部 9V駆動 裏蓋の止めネジがマイナス仕様 基盤一部にモールド処理あり。
メーカーの説明によるとPNPとNPNシリコントランジスタを混合して使用しているとのことですが、奥のトランジスタにはモールド処理がされているうえ、その他の石も表示が削り取られています。トランジスタが合計4石使用されていることは確認できます。パターン側にもモールドが施されています。シリアルナンバーは二桁GFで、末尾のGFは機種名のGypsy Fuzzにちなんだ表記です。2005年頃から販売が開始され、40以下のシリアルナンバーと初期型の特徴であるマイナスネジ仕様から、発売から翌年頃までに製造された個体と予測されます。
KR Musical ProductsはKevin Randallケビン・ランドール氏が、紫のカラーリングで統一した(一部例外の限定色がありました)ジミ・ヘンドリックスのトーンに特化したペダルを製造していた小規模ペダル会社です。当時はユニヴァイブがモデルになった大型ペダルMegavibeで評判を得ていた覚えがあります。ファズは3種類あり、本機はジミ後期、バンド・オブ・ジプシーズのサウンドを狙ったペダルです。
後期のジミが使ったファズフェイスは改造が施されており、筐体内に何が入っていたかも分からなようです。別の回路が入っていた可能性もあります。回路からではなく、ジミの残してくれた音源を頼りに再現に取り組んだのが本機です。ファズフェイスクローンではありません。
コントロールはボリュームとファズの二つのみ。
ボリュームは12時ごろがユニティゲインです。最大まで回せば十分音量が稼げます。
ファズは最大まで上げると、高域はシリコンらしくバリバリと引き裂くように鳴き、低域は図太く暴れまわり、ファズフェイス以上に歪みます。音が引っ込んでいる感じは無く、ピッキングニュアンスにとても忠実です。ファズ最大設定ではギター側のボリュームを絞って歪の量を調整するのをお勧めします。その際は、ペダル側のボリュームも合わせて調整してください。
ギターボリュームの追従性ですが、ファズ最大では歪みすぎています。私はファズを3時、(ペダル側の表記では8)まで下げることによってクリーントーンを再現出来ました。高域がエンハンスされたビンテージ感のあるトーンが出せます。可変幅がファズフェイス以上に広く、ギター側と試行錯誤が必要です。
本機は既に生産を終了しています。私が購入した時点で流通が少なく、噂に聞く隠れた名機扱いでした。完成度に対する価格は販売当時新品$159でした。KR Musical Productsは好評に伴う、受注の多さに対応が間に合わずトラブルに見舞われ、2010年代前半には会社は消滅してしまったようです。


